カルタゴの遺跡・トフェ   Top   かものはし紀行on the web


北アフリカはチュニジアにあるカルタゴの遺跡。
かつてローマと覇権を争った大国も、今は痕跡を残すのみ。
首都チュニスの郊外に、ちいさな遺跡があります。
フェニキア人がカルタゴを支配していた時代につくられた、子供たちのお墓。
人身御供が行われていたのだとか、死後に神に捧げられたのだとか、幼くして死んだ子を神のもとに返したのだとか、色々言われています。
本当のところはどうなのかわかりません。でも、今はとても温かい空間です。



カルタゴの遺跡にはチュニスの中心街から電車に乗って行くことができます。


湖の横を抜けていく電車。地中海の明るい日差しがまぶしいです。

 
駅を降りるとそこは住宅街。ちょっと高級めの住宅街のようです。
このあたりはカルタージュ・ハンニバルとか、カルタゴにちなんだ名前の駅が並んでいます。

 
建設中の家がありました。見てみると、割と簡素なつくりです。中に空洞のあるレンガをつかっているみたい。軽くて合理的ですね。


有名なカルタゴの軍港跡。ここのレポートは置いといて、

 
じゃーん、これがトフェです。住宅街の中にある、こじんまりした遺跡です。


すぐ裏に民家があります。


けれど、お花が咲いていて、鳥の鳴き声だけが聞こえる、静かな空間です。


タニト印が彫られています。カルタゴで信仰されていた女神の印です。


なにか入り口があります。入ってみると…


やさしい光が差し込む坑内に石碑が佇んでいます。なんだか温かい空間。(上を覆っているのはローマ時代の遺構らしいです。)

 
奥に進んでみます。建造物の跡が見えてきました。

 
ここで子供の首を切ったんだぞ、って解説するなぞのスペイン人観光客が出現。
でも、そんな話よりも、心に沸いてくる感情がありました。 

 
かつてこの空間で、消えた小さな命ひとつひとつに様々な思いが交差したのでしょう。
そして今、その思いが眠っている場所は、とても安らかで、静寂な空間なのでした。


…カルタゴ展に触発されて書きました。
なお私が出かけたのは2006年なので、今はすこし勝手が違うかもしれません。


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