オーストラリア国外にカモノハシを移送した成功例は、アメリカ合衆国、ニューヨークにあるブロンクス動物園に送られた数例があるだけです。しかし、不成功に終わりましたが、他にもアメリカ、イギリスに送ろうと試みた例がありました。また、日本にも送る計画が立ち上がっていました。これらの計画は、それも主導した人物、組織が大きく異なります。アメリカへの移送は民間同士の交流から生まれたプロジェクトでした。イギリスへの移送は、英首相ウィンストン・チャーチルのリクエストに始まる、戦時中の際どい外交政策の一環でした。戦時下という時代の荒波の中、一頭のカモノハシは輸送船で出発していくという数奇な運命を辿ります。日本に送る計画は、自治体のトップ同士が進めた自治体外交の一環でしたが、自治体の選挙の結果、計画は立ち消えになってしまいました。これらの事例をまとめ、オーストラリアをとりまく外交関係との関連を論じた論文が以下のサイトで公開されています。
オーストラリアのカモノハシ外交(浅原 2017) 論文はオープンアクセスです
(リンク先のページにPDFファイルへのリンクがあります)